Sonic Mighty RevoのPFAフィルムの交換手順
- プリンタ.com
- 9月12日
- 読了時間: 6分

Sonic Mighty Revo を使っていると、だんだんと造形が安定しなくなったり、造形物がVATのフィルムに貼り付いて外れにくくなったりすることがあります。そんな時は、PFAフィルムの劣化が原因かもしれません。
PFAフィルムは消耗品で、繰り返しの造形で少しずつくもりや傷が入り、透過率が落ちてしまいます。これを放置すると、造形失敗やLCDスクリーンへの負担、レジン漏れによる3Dプリンターの故障にもつながるため、定期的な交換が必要です。
この記事では、公式の交換動画を参考にしながら、ご自身でフィルムを交換する手順を写真や動画がなくてもわかるように解説します。
超剥離製フィルムをご利用の場合も同じ手順で進められます。
▼目次
フィルム交換の目安
用意するもの
手順
① 3Dプリンター本体からレジンVATを取り外す
② レジンVATを軽く清掃する
③ 古いフィルムを取り外す
④ フレームとレジンVATを清掃する
⑤ 新しいフィルムの準備
⑥ ネジを締めてフィルムを固定する
⑦ フィルムフレームをレジンVATに固定する
⑧ フィルムの張り具合を確認
⑨ 余分なフィルムをカットする
フィルム交換の目安
毎日使用される方:1〜2か月で交換
月数回程しか使用しない方:3〜6か月で交換
また使用期間に関係なく、フィルムにくもりや傷、造形不良が出てきたら早めの交換をおすすめします。
用意するもの
新品の PFAフィルム(Sonic Mighty Revo専用)
六角レンチ(2mm、2.5mm、3mm)
ニトリルグローブ
新聞紙や段ボールなど(作業スペース保護用)、ペーパータオル
高純度エタノール(清掃用)
レジン濾過フィルター、ボトル、紙コップ
※ レジンやエタノールを使用する際には、アレルギー反応を引き起こす可能性もあるため、必ず換気の良い場所で、マスクと手袋を着用して作業してください。
手順
手順を動画でご覧になりたい方はこちらから
① 3Dプリンター本体からレジンVATを取り外す
レジン汚れが付いてしまわないように、新聞紙や段ボールなどを敷いておきましょう。
3Dプリンター本体の電源を切り、レジンVATを本体から取り外します。
② レジンVATを軽く清掃する
VAT内にレジンが残っている場合は、必ずフィルターを通してボトルに戻しておきましょう。
フィルムを取り外す前に、汚れが広がらないようにペーパータオルと高純度エタノールを使用してレジンVATを軽く清掃します。


③ 古いフィルムを取り外す
軽く清掃ができたら、レジンVAT底面の金属フレーム固定ネジを下記の順に外します。
大ネジ 4本(3mmレンチ)
中ネジ 18本(2.5mmレンチ)
小ネジ 22本(2mmレンチ)
フレームの歪みを防止するために、ネジは対角線上に順番に緩めましょう。
外したネジは紙コップ等に入れた高純度エタノールに浸して洗浄します。


[大ネジ 4本]、[中ネジ 18本] を取り外すと、フィルムがついているフレームが外れます。

フィルムフレームを裏返して、2mmレンチを使用して [小ネジ 22本] を取り外します。

④ フレームとレジンVATを清掃する
フレームとレジンVATに付着しているレジンやほこりを、高純度エタノールを含ませたペーパータオルで丁寧に拭き取ります。新しいフィルムを取り付けるときに密着しやすいよう、できるだけきれいにしておくのがポイントです。

⑤ 新しいフィルムの準備
新しいPFAフィルムの保護シートを両面とも剥がす
フィルムを下フレームの上に置く
上フレームをかぶせ、表裏間違えないように穴位置を合わせる


⑥ ネジを締めてフィルムを固定する
フィルムフレームの小ネジ(2mm)を下記の順に固定していきます。
すべて対角線順に軽く仮締めてから、2〜3回に分けて同じ順に少しずつ締めていきます。
角の8箇所
中間の6箇所
残りの8箇所
まずは2mmレンチを使用して、右角の1箇所①に、穴を開けネジを仮締めします。
次は、フィルムの左下角をかくる引っ張りながら、対角線上の左下の1箇所②にも穴を開けネジを仮締めします。

同じ要領で8箇所に順番に「穴開け→ネジ仮締め」をしていきましょう。


次は中間の6箇所です。
2mmレンチを使用して、中間の6箇所に穴を開けます。

小ネジ6本を先にを穴へ入れてから、対角線順に軽く仮締めします。

最後に、残りの8箇所です。
2mmレンチを使用して、8箇所に穴を開けます。

すべてのネジの仮止めが終わったら、2〜3回に分けて同じ順に少しずつ、しっかりと締めていきます。

⑦ フィルムフレームをレジンVATに固定する
大ネジ、中ネジを下記の順に固定していきます。
すべて対角線順に軽く仮締めてから、2〜3回に分けて同じ順に少しずつ締めていきます。
角の4箇所 (大ネジ 4本)
中間の6箇所 (中ネジ 6本)
残りの12箇所 (中ネジ 12本)
まずはフィルムフレームをひっくり返して、レジンVATのネジ穴に合わせて設置します。


まずは3mmレンチを使用して、右角の1箇所①に、穴を開け大ネジを仮締めします。
次は、フィルムの左下角をかくる引っ張りながら、対角線上の左下の1箇所②にも穴を開け大ネジを仮締めします。③、④も同様に仮締めしていきます。


次は中間の6箇所です。
2.5mmレンチを使用して、中間の6箇所に穴を開けます。
中ネジ6本を先にを穴へ入れてから、対角線順に軽く仮締めします。


最後に、残りの12箇所です。
2.5mmレンチを使用して、中間の12箇所に穴を開けます。
中ネジ12本を先にを穴へ入れてから、対角線順に軽く仮締めします。


すべてのネジの仮止めが終わったら、ネジの締まりがゆるい部分が浮いてくるので、2〜3回に分けて同じ順に少しずつ、しっかりと締めます。
⑧ フィルムの張り具合を確認
すべて締め終えたら、フィルムを軽く指で弾いて「ポン」と均一な音が出るか確認します。
たるみや波打ちがある場合は、ネジを緩めて再度締め直してください。
⑨ 余分なフィルムをカットする
余分なフィルムをカッターを使用してカットします。レジンVATを本体に取り付けます。
これでPFAフィルムの交換完了です!

最後に...

作業お疲れ様でした!
手順に従えば、PFAフィルム交換は決して難しくありません。
「ネジの順番を守って、少しずつ対角線で締める」――これが最大のポイントです!
以上でPFAフィルムの交換は完了です。「これを見ながらでも上手くできないな。。」、「こんなやり方で綺麗にできたよ!」などご意見があればぜひコメント欄へコメントお願いします!
上手くできなかったり、「こんな大変なことやってられないよ!」という方は是非張り替えサービスをご利用ください!
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